【1月18日 AFP】ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は17日、ソニー(Sony)の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PlayStation)」について、子どもたちを「資本主義の地獄」に導く「毒」だと痛烈に批判した。

 チャベス大統領は以前にも、「利己主義、個人主義、暴力を助長する」としてゲームメーカー任天堂(Nintendo)を批判のやり玉に上げたことがあるが、その矛先が今度はゲーム機で世界売り上げ1位を誇る「プレイステーション」に向けられた。

 毎週日曜に放送されるテレビ・ラジオ番組「アロー・プレジデンテ(Alo Presidente、こんにちは大統領)」のなかで、チャベス大統領は「『プレイステーション』とかいうゲーム機は毒だ。ゲームは人を殺すことを教えているものもある。わたしの顔を画面に登場させる『チャベスを見つけて殺せ』というゲームもあったほどだ」と指摘。「都市を爆撃したり爆弾を投げつけるようなゲームは全て、キャピタリスト(資本主義者)らが本物の武器を売りつける目的で作ったものだ」と述べ、あらゆるゲームを非難した。

 さらにチャベス大統領は、「同様に、やつらはタバコ、麻薬、酒を売りつけようと宣伝する。これがキャピタリズム(資本主義)、すなわち地獄への道だ」と資本主義を批判した。

 一方で、チャベス大統領は、ベネズエラの玩具メーカーは、有害なゲームではなく「教育的なゲーム」や、「われわれ固有の文化とは何の関連もない」欧米人の容姿をしたバービー人形などではなく、「かわいらしい先住民の人形」を製造すべきだと熱弁をふるった。

 ベネズエラでは前年10月、「好戦的」なゲームやビデオゲームの販売を禁じる法案が可決された。違反した場合は、最高で5年の禁固刑が科される。(c)AFP