【1月16日 AFP】大地震に襲われたハイチに15日、米軍の支援部隊が到着した。しかしマチェーテ(山刀)を手にした暴徒による略奪が起きるなど、被災地は混乱している。

 12日(日本時間13日)に発生した地震で大きな被害を受けた首都ポルトープランス(Port-au-Prince)では、依然として約200万人が水と食糧が絶対的に不足した状態におかれている。多くの遺体も熱帯の太陽の下にさらされたままだ。

 ハイチに派遣された米兵1万人が空港を管理下に置いて配給が始まったが、運び込まれる大量の支援物資と、国外に逃れようとする大勢の人で空港は混乱を極めている。

 麻酔なしでの四肢切断手術を強いられている病院でも痛ましい光景が繰り広げられている。

 ポルトープランス入りしたブラジルのネルソン・ジョビン(Nelson Jobim)国防相は「水は食糧の不足と避難所の問題が解決されない限り、暴動が起きる危険がある」と述べ、暴力的な事態への懸念を示した。

 ハイチの当局者は今回の地震で5万人が死亡し、150万人が家を失ったと語っている。政府による救助や復旧活動はあまり目に見えず、その空白を市民らが必死に埋めようとしている。(c)AFP