【1月15日 AFP】過激な発言で知られる米テレビ伝道師パット・ロバートソン(Pat Robertson)師(80)が、ハイチで12日起きた大地震について、「悪魔と契約したことに対する神罰だ」と発言し、物議を醸している。ホワイトハウス(Whitehouse)は14日、発言について「まったくバカげている」とのコメントを出した。

 ロバートソン師は13日、自身が運営する米キリスト教系テレビ局「クリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワーク(Christian Broadcasting NetworkCBN)」の番組で、「ハイチはかつて、フランスに支配されていた。そこで人びとは悪魔と契約したのだ」と述べた。

「ハイチの人々は、『フランスから自由にしてくれたらおまえに従おう』と悪魔に約束し、悪魔は『よし、契約成立だ』と答えた。これは真実の話だ」「だから、それ以来ハイチは呪われ、次々と災難に見舞われている」

 さらにロバートソン師は、ハイチと同じイスパニョーラ(Hispaniola)島にある隣国ドミニカ共和国に言及。ドミニカが「繁栄し健康で、多数のリゾート地に恵まれているのに、ハイチは絶望的な貧困状態にある。同じ島にあるのにだ。ハイチの人々、そしてわれわれは、神がこの悲劇をくつがえして下さるよう祈らねばならない。私は事態が好転するとの楽観的な見通しを持っている」などと持論を展開した。

 ハイチは、数世紀にわたりスペイン、フランスの植民地支配を受けた後、1804年に奴隷反乱により独立した歴史を持つ。

 一連の発言について、ロバート・ギブス(Robert Gibbs)米大統領報道官は定例記者会見で、「恐ろしい災害が起きた時にこんなバカげたことを言い出す人がいるとは、驚きを禁じ得ない。だが同様のことはしばしば起きる」とコメントした。

 ロバートソン師は扇動的な発言でたびたび物議を醸しており、同性愛や中絶に反対の立場を取っている。1988年の大統領選挙では共和党の指名獲得争いを繰り広げ、当時の副大統領で、前大統領の父親のジョージ・ブッシュ(George Bush)氏に敗れた。(c)AFP