【1月20日 senken h】ソニーのCIやテレビ朝日のロゴ制作などで知られる英国のデザイン集団「TOMATO」。その中心メンバー、サイモン・テイラー(Simon Taylor)がこのほど来日。近況を聞いた。

―今回の来日の目的は。
サイモン(以下S):いくつかのプロジェクトがあるけど、「リーバイス(Levi's)」の「フォーエバー・ブルー」というHIVのチャリティープロジェクトへの参加が大きい。今回は2週間ほどいるよ。

―日本は何度目?
S:数え切れないくらい。初めて来たのは18歳の時だ。東京は変化が激しいけど、逆に変わらないのはクリエーションの熱気だね。当たり前だけど若い世代はどんどん入れ替わるし、とくに最近の若い世代はインターネットを通じたコミュニケーションに興味を持つ人が増えていると感じる。

―自分が年齢を重ねることはデザインに影響を与える?
S:あまり関係ない。というか年齢と関係なく、それぞれのテーマで仕事のスタイルは変わる。いずれにせよ、いつも気にかけているのはプロセスに関心を払うことだ。何かやりだしてもゴールを決めてそのまま進めるのは面白くない。製作の過程でいろいろなことが相互に作用して別の方に向かう方が良い結果を生む。例えば、このバッグのグラフィック(にじんだ図形が並んでいる)は最初からこんな風にしようと思った訳じゃないんだ。プリントした円をファックスするためにセットしてボタンを押すんだけど、向こうに流れないように引っ張ってできたデザインなんだ。

―最近のウェブの隆盛は作品作りに影響する?
S:ウェブの良い面はいろいろなリサーチが簡単になったことだね。危険な面は、モノを作る時にアナログ的なプロセスを忘れがちになること。両方をバランスよく取るのが大事だ。実際、最近自分もデッサンの教室に通うようになった。デッサンはデジタルに取って代わるものではないからね。僕は紙とペンさえあればインターネットは必要ないと思っているよ。

―いま興味を持っていることは? 公私いずれでも。
S:仕事を仕事と思っていないから公も私もないけど…。まあ、旅して会ったことのない人に出会ったり、行ったことのないところに出向いたり。経験していないことに触れることは作品作りに良い影響を与える。最近は旅のし過ぎでひどいことになっているけど(笑)。

―今手がけているメーンのプロジェクトは。
S:最初に話したリーバイスもそうだし、あとアフリカのエナジーカンパニーのプロモーションも。この仕事は会社が売り上げの一部をアフリカの道なんかのインフラに充てるというから賛同してやることにした。自転車も作っているよ。今年の春頃にはリリースできると思う。

―日本の会社とトートバッグを作った。
S:トートバッグのブランド「ルートート」を展開するスーパープラニングの神谷社長に昨年会った。彼はこれまでと違うバッグの見せ方に興味を持っていた。で、アイデアをスケッチしながら2人で4、5時間ディスカッションしたんだけど、帰る頃には頭の中にイメージが出来上がっていた。ライブ感のある何かをしようと思ったんだ。

―バッグも作った。
S:最初は什器だけって話だったんだけどね。TOMATOのトウタ(長谷川踏太)も参加しているよ。「Attaché(アタッシェ)」という名前で、LPレコードサイズのマチがないトートバッグだ。レコードのジャケットのように表と裏にグラフィックを載せた。什器も動くようにしたし、(什器の)裏側に入ったり、バッグを取り外したり売り場で体感して欲しいね。

―バッグの出来はどうですか。
S:今日初めて見るんだよ(笑)。30もデザインしなければいけなかったから大変だった。今回は写真やデザインなど自分の周りにあるものを形にしようと思ったんだ。好きで集めたものを一つのフォーマットにのせれば、今の僕の一部を切り取ったような自分のプロフィールが出来るのでは、ってね。(c)senken h

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