【1月9日 AFP】(写真追加、記事更新)アフリカ・ネイションズカップ(the African Nations Cup 2010)に出場するトーゴ代表チームを乗せたバスが8日、アンゴラで襲撃され、1人が死亡、9人が負傷した。

 トーゴサッカー協会の関係者は、バスはコンゴのブラザビル(Brazzaville)からアンゴラのカビンダ(Cabinda)州に入ったところで銃撃を受け、選手2人が負傷し、運転手が死亡したと発表している。

 銃撃が始まると多くの選手はシートの下に隠れ、フランス2部のナント(FC Nantes)に所属するトーマス・ドセビ(Thomas Dossevi)は「犬のように銃撃された」と語っている。

 ドセビはAFPに対し、フランス5部のGSIポンティビー(GSI Pontivy)に所属するゴールキーパー(GK)のコジョビ・オビラレ(Kodjovi Obilale)と、ルーマニア1部のSCバスルイ(SC Vaslui)に所属するディフェンダー(DF)のセルジュ・アカクポ(Serge Akakpo)が負傷したことを明らかにしている。

 ドセビは「一人(アカクポ)は背中に銃弾を受け、もう一人(オビラレ)は腹部を撃たれた。襲撃者はフードを被り、完全武装していた。われわれはシートの下で20分間じっとしていた。恐ろしかった」と語っている。

 イングランド・プレミアリーグでプレーするマンチェスター・シティ(Manchester City)のエマヌエル・アデバヨール(Emmanuel Adebayor)とアストン・ビラ(Aston Villa)のムスタファ・サリファ(Moustapha Salifou)は、所属クラブが無傷だったと明らかにしている。

 トーゴサッカー協会の関係者はAFPに対し、負傷したのは大会開幕を10日に控え同行していたスタッフだったと明かしている。負傷者は全員カビンダの病院で治療を受けている。

 フランス・リーグ1のグルノーブル(Grenoble Foot 38)に所属するアレクシス・ロマオ(Alaixys Romao)は、チームはショックを受けており、大会への参加を求めていないとしている。

 フランスのスポーツ専門チャンネルINFOSPORTに対しロマオは「選手、スタッフが負傷しており、ニュースを待っている状態だ。可能であれば大会への参加を拒否すべきだ。われわれは故郷に帰りたいんだ」と語っている。

 これに対しアフリカ・ネイションズカップの主催者は、「われわれが最も心配しているのは選手のことだが、大会は予定通りに行われる」と発表している。

 大会の広報担当は、何が起きたのかを直接調査するため大会副会長がカビンダに向かったと明かしているが、「CAF(アフリカ・サッカー連盟(African Football Confederation)の規定では、各チームの移動はバスではなく飛行機が好ましいと明記されている」と話し、トーゴ代表が空路ではなく陸路を選択したことに疑問を呈している。

06サッカーW杯に出場し、アフリカの強豪の一つに数えられるトーゴは、カビンダで11日にガーナと対戦する予定となっていた。

 トーゴと同グループには、ガーナとブルキナファソ、チェルシー(Chelsea)のディディエ・ドログバ(Didier Drogba)、FCバルセロナ(FC Barcelona)のヤヤ・トゥーレ(Yaya Toure)を擁するコートジボワールが属している。(c)AFP