【1月8日 AFP】掃除魚(そうじうお)の一部の種においては、オスはメスよりも「腹黒い」――。スイス・ヌーシャテル大学(University of Neuchatel)の研究者が7日、このような研究結果を米科学誌「サイエンス(Science)」に発表した。

 掃除魚の一種であるホンソメワケベラ(体長約10センチ)は、大型魚の寄生虫を主食としている。

 だが、ヌーシャテル大学のRedouan Bshary氏によると、メスは時に貪欲(どんよく)になり、寄生虫よりも美味である粘液を吸おうと、掃除をしながら肉にかみつくことがあるという。 

 このときオスは、このメスを追い払う。寄生虫を食べさせてもらっている魚を、メスにかまれないように守ることで、オスはこの「得意先」がその場を立ち去ることを防ぐことができる。

 メスは、自分より体が大きいオスによる「報復」を恐れて二度と近づこうとせず、オスは掃除を終えたあとに粘液という「デザート」にありつく。メスと分け合う必要もない。
 
 研究者は、このようなオスについて「一人勝ち」と表現している。(c)AFP