【1月8日 AFP】古代イスラエルの王ダビデが巨人ゴリアテと戦ったされる谷で発見された3000年前の陶片に記された文字の解読を行っていたイスラエル・ハイファ大(University of Haifa)は7日、この文字が世界最古のヘブライ文字であることを確認したと発表した。

 陶片は18か月前、エルサレム(Jerusalem)郊外の「エラの谷」の要塞跡(Elah Fortress)の門のそばで発掘された。表面には、ヘブライ人やペリシテ人が使用した原カナン文字が記された5列の文字列があった。

 放射性炭素年代測定法によると、これらの文字は紀元前10世紀ごろのものであり、死海文書より約1000年も古いことになる。

 解読を行ったゲルション・ガリル(Gershon Galil)氏によると、これらの文字は奴隷や寡婦、孤児に関連した社会的な声明であり、使用された言葉や概念はヘブライ語とヘブライ社会に特有のものだという。

 また、このように初期のヘブライ語が発見されたことで、聖書が書かれた年代が現在の定説を数世紀さかのぼる可能性もあるという。なお、これらの文字は聖書の言葉と似ているが、聖書の文句を流用したのではないことは明らかだという。(c)AFP