【1月6日 AFP】インドの人口約3000人の村で、村民たちが駅を「手作り」し、悲願の鉄道敷設にとうとう成功した。

 タージナガー(Tajnagar)村の住民たちは何十年もの間、村を素通りしていく列車を見送って暮らしてきた。村民らは1982年、村への駅建設を求める運動を開始したが、請願が聞き入れられることはなかった。

 業を煮やした人々は2年前、自分たちの手で駅を作ることを決意。4万5000ドル(約410万円)の資金をかき集め、1年前から駅の建設を開始した。

 このほど、プラットホーム2つと改札を備え、電灯もついた駅が完成。5日、いよいよ最初の列車がプラットホームに滑り込み、村民や地元当局者らの拍手によって迎えられた。

   「村の住民のほとんどは農民だが、誰もが自分のできる範囲で貢献した」と、村民の1人はインド紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)に語った。

 列車は1日7本止まり、20キロ離れたニューデリー(New Delhi)の衛星都市グルガオン(Gurgaon)まで通じている。「日曜大工」で作った駅のおかげで、住民たちは晴れて、近くの町まで鉄道で通勤通学できるようになった。(c)AFP