【12月26日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)から米デトロイト(Detroit)に向かうノースウエスト航空(Northwest Airlines)機で25日に発生した爆破未遂事件の模様が、乗り合わせた乗客の話から明らかになった。

 犯人の3列後ろに座っていたという乗客のサイード・ジャフリー(Syed Jafry)さんは米テレビCNNに対し、「『ポン』という音がして、皆少し驚いた様子だった。周囲を見回したが何も見えなかった」と語った。「数秒後、炎のような小さな光が見えた後、炎が上がった」

 近くにいた乗客があわててその場所に駆け寄り消火を試みたが、炎は少し大きくなった。別の乗客によると、乗客は水を求めて叫んでいたが、駆けつけた客室乗務員が消化器で火を消したという。

 ジャフリーさんの3~4列後ろに座っていた若い男性が落ち着いて、多少の小競り合いはあったようだが、犯人を上手く扱ったという。男性は客室乗務員の助けを得て犯人を機内前方に連れて行き、他の乗客から隔離した。「犯人は抵抗していなかった。むしろ驚いた様子だった」という。

 別の乗客は「1人の男性が男の頭に腕を回して前方に引きずっていった。男のズボンは下がっていた。燃えたそうだが、走れないようにズボンを下げたのかと思った」と語った。

 すべてのことが短時間のうちに起こり、同機は10~20分後に着陸した。「犯人は何かしようとしたが上手くいかなかったようだ」とジャフリーさんは語った。

 乗務員は機内の乗客に「事件」が起きたが状況は管理下にあるとだけ知らせ、犯人から離れた座席にいた乗客の多くは事件があったことにさえ気づかなかったという。(c)AFP