【12月23日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)が、ホームレスの窮状に関心を寄せてもらおうと、ロンドン(London)で一夜の路上生活を体験した。ホームレス支援団体「センターポイント(Centrepoint)」が22日明らかにした。

 英国の王位継承順位第2位のウィリアム王子は前週、気温がマイナス4度まで下がるなか、テムズ川(River Thames)のそばの路地で段ボールの上に寝そべり、眠れぬ夜を過ごした。

 王子に同行したセンターポイントのセイ・オバキン(Seyi Obakin)氏は、「厳しい寒さや硬いコンクリートを和らげてくれるものはなにもない。麻薬密売人などに声をかけられたり、誰かに蹴りつけられたりする恐怖もある」と語る。

 そして、王子とオバキン氏らは実際、危険な目に遭いそうになった。彼らに気づかずに進んできた道路清掃車にひかれそうになったのだ。

 この体験のあと、王子は「一夜体験した後でも、毎晩ロンドンの路上で寝るということが本当はどういうことなのか、私には想像もできない」と語り、路上生活者が直面しているあらゆる問題について深く理解しようと決心したと語ったという。

 1997年に交通事故で亡くなった母親の故ダイアナ妃(Princess Diana)も、センターポイントを支援していた。英国政府の統計によると、ロンドン市内には現在4500人以上の路上生活者がおり、その40%は国外、主に東欧の出身者だという。(c)AFP