【12月16日 AFP】(写真追加)開発スケジュールが大幅に遅れていた米ボーイング(Boeing)の次世代ジェット旅客機、B787「ドリームライナー(Dreamliner)」が15日、米ワシントン(Washington)州で初飛行を成功させた。同社の将来がかかる同型機の開発は大きな節目を越えた。

 曇天のなか午前10時27分(日本時間16日午前3時27分)にボーイングの工場に近いペインフィールド(Paine Field)空港を機体が離陸すると、集まった人たちから大きな拍手がわき起こった。

 尾翼に大きく「787」の文字を塗装された試験飛行用の機体は12日に最終機能試験をパスし、この日の初飛行を待つばかりとなっていた。

 3時間8分の初飛行で、マイク・キャリカー(Mike Carriker)とランディ・ネヴィル(Randy Neville)の両操縦士は、環境管理システム、油圧、構造、エンジン、安定性など主だった機能をテストし、機体に搭載された計測器機がリアルタイムでデータを地上に送った。

 B787は新素材や最新の航空技術を活用し、従来の機種より最大20%少ない燃料で長距離の飛行が可能になっている。

 ボーイングの幹部が匿名を条件にAFPに明かにしたところによれば、B787の2号機の試験飛行は12月22日に予定されている。

 2004年4月に開発計画が始まったB787は、相次ぐ技術的なトラブルで開発スケジュールが2年以上遅れ、当初2008年前半に予定されていた全日本空輸(All Nippon Airways ANA)への引き渡しは2010年後半に延期されている。(c)AFP/Veronica Smith