【11月30日 AFP】今月オーストラリアで結合した頭部の分離手術を受けたバングラデシュの双生児トリシュナ(Trishna)ちゃんとクリシュナ(Krishna)ちゃん(ともに2歳)の実母が女性誌のインタビューで、結合双生児として2人を出産した後、病院で目隠しをされたことを明かした。30日発行の豪ウーマンズ・デー(Woman's Day)誌が伝えた。

 バングラデシュの自宅で取材に応じた実母のラブリー・マリック(Lovely Mallick)さん(22)は2年前の2006年12月、2人を帝王切開で生んだが、出産直後にまだ意識がもうろうとしているとき、目隠しをされ、手が縛られていることに気づいた。

 まわりではカメラのシャッターの音が響いていた。目隠しを取ろうとしたが、すると手も縛られていた。「帝王切開前に薬を飲んだときには、縛られていなかったのに、です」

 そしてまもなく、双生児の娘たちの頭部が結合していることを知り、信じられない気持ちで泣きじゃくったという。「あまりに取り乱して娘たちを見ることができなかった。すると医者たちが子どもを向こうのほうに連れて行った。わたしは狂ったように叫び続けました。死にそうなほどショックでした」。

 マリックさんと、ジュート工場で働く夫のカーティク・チャンドラ・マリック(Kartik Chandra Mallick)さんは懐妊が分かったときに大喜びし、超音波検査で胎児の異常が予測されたときも、最善の結果を願った。医師は双子の女の子だが、頭部に腫瘍があると告げていた。

 出産から6週間後、貧しいマリックさん夫妻は、娘たちが治療のできる家庭に養子としてもらわれることを願い、2人を児童養護施設に預けた。

 トリシュナちゃんとクリシュナちゃんは11月初旬、結合している頭がい骨や脳、血管を分離する長時間の手術を受け、2人の身体は分離された。危険度の高い手術を乗り切ったという報を聞いたマリックさんは2人と会いたがっているが、より良い暮らしができるだろう豪州にとどまってほしいと述べた。

  「子どもたちが安全で幸福であることを夢見ています。2人と話したい。たった1秒でも会えるならば、なんだってします」(c)AFP
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