【11月26日 AFP】ロシア極東(Russian Far East)に生息するアムールトラの個体数が急激に減少し、最近の調査で56頭しか確認されなかったとの調査結果が、25日発表された。原因は毛皮や骨を目当てにした密猟だという。

 調査は、米野生生物保護協会(Wildlife Conservation SocietyWCS)、ロシア政府、ロシアの非政府組織(NGO)が共同で行い、生息地の約15%に相当する範囲で分布を調べた。過去12年では平均95頭が確認されていたが、今回の調査では56頭しか確認されず、41%減少していたという。

 2005年に行われた全生息地を対象にした調査では500頭が確認されていた。研究者らは、生息地全体でアムールトラの個体数が減少しているとみている。個体数減少の主因は、トラやその餌となる動物の密猟で、トラは毛皮のほか、骨が伝統薬の製造に使用されるという。

 ロシアは、1947年の狩猟禁止法を皮切りに、アムールトラの保護のためさまざまな措置を実施してきた。WCSのロシア極東プログラム担当者は、現在の保護対策が十分でないとの見方を示している。(c)AFP