【11月25日 AFP】100以上の南極の氷山がニュージーランドに近づいていることが23日、明らかになった。氷山は数百に上る可能性もあり、異例の事態に当局は付近を航行する船舶に警戒を呼び掛けている。

 オーストラリア南極局(Australian Antarctic Division)の氷河学者、ニール・ヤング(Neal Young)氏によると、衛星写真で確認された氷山は、オークランド諸島(Auckland Islands)を通過し、約450キロ北東のニュージーランド南島に向けて進んでいるという。

 氷山の中には、幅が200メートルを超えるものもあるという。100以上の氷山が1つにまとまっているため、その数は数百に上る可能性もあるという。

 ヤング氏は、この氷山は、地球温暖化による海水温や気温の上昇にともなって、南極大陸から分離した巨大氷塊の一部だとの見方を示した。この氷塊の分離時の大きさは、恐らく30平方キロはあったとみられるという。

 今回のように大量の氷山がニュージーランドのこれほど近くまで流れてきたのは2006年以来だという。この時は1931年以降初めて、大量の氷塊が沿岸25キロ以内に流れてきた。

 ニュージーランド当局はすでに、氷山が確認されている南洋の海域を航行する船舶に注意を促している。(c)AFP