【11月24日 AFP】アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の愛車だったメルセデスベンツ(Mercedes-Benz)をロシアの富豪が数百万ユーロ(数億円)で購入したと、23日の独紙「エクスプレス(Express)」が報じた。

 クラシックカーディーラーのミカエル・フローリッヒ(Michael Froehlich)氏が同紙に語ったところによると、ある日のこと、「ヒトラーが乗っていたあのダークブルーのオープンタイプのメルセデスベンツ770Kはどうなったのか?」という問い合わせが入った。ロシアのある富豪を担当しているという販売店からだった。

 フローリッヒ氏は、数週間の調査ののち、今月18日についに車のありかを突き止めた。車は、第2次大戦後にオーストリアへ売却され、米ラスベガス(Las Vegas)のクラシックカー博物館に収蔵されたのちにドイツ・バイエルン地方のビール業者の手に渡った。そして2008年、この男性の死去に伴い、妻が売りに出し、ドイツ西部ビーレフェルト(Bielefeld)の収集家が入手していた。

 フローリッヒ氏は、この収集家宅のガレージにあったメルセデスベンツを書類や写真と見比べ、本物であることを確認。ナンバープレートは「1A 148461」と当時のままだったが、ナチス(Nazi)のシンボルマークは消えていた。

 このニュースを聞いたロシアの富豪は20日、プライベートジェット機で現地に赴き、この車を購入した。購入価格は不明だが、車には400万~1000万ユーロ(約5億3000万~13億3000万円)の価値があるという。

 モスクワ(Moscow)攻略を果たせなかったヒトラーだが、その愛車は、かの地を踏むことになった。(c)AFP