【11月23日 AFP】景気後退や高い失業率に苦しむスペインで最近、収入を得る手段として髪を売る女性が増えている。

 首都マドリード(Madrid)近郊で人毛かつらやエクステンション(毛束)輸出業を営むフスティノ・デルガド(Justino Delgado)さんによると、ここ数か月間、髪の毛を売りにデルガドさんの倉庫を訪れるスペイン女性が急増しているという。

 50年前に起業した際は、女性に髪の毛を売ってもらうため、地方の村々を訪ね歩いた。その後は、扱う髪の多くをインドや中国から輸入するようになっていた。

 ただ、デルガドさんが扱うかつらやエクステンションは、8割がスペイン以外の欧州各国や米国向けの輸出で、欧米では、アジア系女性よりも髪質が細い欧州の女性の髪のほうが良く売れる。スペイン人女性が積極的に髪を売る最近の傾向は、デルガドさんの商売にとっては追い風だ。

 デルガドさんによると、髪の毛の相場は長さと重さで決まり、大体が50ユーロ(約6500円)~150ユーロ(約2万円)程度。髪量の豊かな女性にとっては「結構、よい収入になる」そうだ。ただし、買い取りには条件があり、髪の長さが40センチ以上でヘアカラーをしていない人でないと駄目だという。(c)AFP/Virginie Grognou