【11月20日 AFP】侵入者と争っている夢を見ていた男性が、寝ている間に誤って妻にプロレス技を掛けて殺害した事件で、被告男性の審理が英国のスウォンジー(Swansea)刑事法院で17日行われた。

 ブライアン・トーマス(Brian Thomas)被告(59)の供述によると、2008年7月に夫妻でキャンピングカーで旅行中、ウェールズのある駐車場に車両を止めて宿泊した。だが、その駐車場に集まって来た若者たちの車両のエンジンの回転音やブレーキ音が騒がしくて眠れなかったため、自分たちのキャンピングカーを別の駐車場に移動させた。その晩、夢の中で駐車場で騒いでいた若者たちとケンカをし、その中の1人にプロレス技の「ヘッドロック」をかけたが、目が覚めた時、技をかけた相手が妻のクリスティーン(Christine)さんだったことが判明。そこで午前3時49分に「妻を自分で殺したらしい」と警察に通報したという。

 睡眠障害を患っている被告は妻を殺害したことは認めているが、心神喪失による無罪を主張している。

 一方、検察側によると、睡眠障害の専門家は「被告は妻を殺害したが、無意識に行動していた」との判断を下したという。検察側は陪審員団に対し「極めて異例なケース」だと述べた上で、有罪評決は求めておらず、心神喪失を理由に無罪評決を受け入れる方針であることを明らかにしている。(c)AFP

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