【10月31日 AFP】イランの旅客機で29日、飛行中の技術トラブルが発生した際に、イラン人の機長が乗客に祈りを捧げるよう求めていたことが明らかになった。

 国営イラン学生通信(ISNA)によると、トラブルが起きたのはテヘラン(Tehran)発のAseman Airlines機。6時間の遅延後にようやく出発したものの、技術的な問題が発生したためにテヘランに引き返したという。

 乗客の1人によると、同機は現地時間29日午前0時15分、テヘランを出発。しかしそこでトラブルが発生し、機長は乗客に対し「技術的な問題に直面しているため空港に引き返さなければいけません。どうか祈ってください」と求めたという。同機は、出発から45分もしないうちにテヘランに舞い戻った。

 イランは過去数年にわたって国際社会の経済制裁を受けているため、航空機大手のボーイング(Boeing)やエアバス(Airbus)などから最新型の機体を購入することができず、また、部品の交換もできない状況が続いている。そのため、多くの航空事故が発生している。

 イランの民間機と軍用機は古い機体を使用しており、十分な整備がなされていないことから、状態が非常に悪い。

 ことし6月には、カスピアン航空(Caspian Airlines)のツポレフ(Tupolev)154型旅客機がテヘラン北西のカズビン(Qazvin)郊外に墜落し、乗客乗員168人が死亡する事故が起きた。(c)AFP