【10月30日 AFP】米下院民主党は29日、政府が運営する公的保険の新設を盛り込んだ法案を発表した。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が内政の最重要課題とする医療保険制度改革の実現に向けて一歩近づいた。

 民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は「全米国人が加入できる手頃で質の高い保険の提供を約束しようとしている。次世代の人たちにとって、明るい未来の礎となるだろう」と述べた

 民主党は、医療保険改革にかかる費用を今後10年で8940億ドル(約82兆円)と試算。3600万人の無保険者に保険を提供し、国民の96%が医療保険に加入することを目指す。

 オバマ政権が設定した年末という法案成立の期限が近づく中、法案は早ければ来週にも下院本会議で採決される。上院も独自の法案を作成しており、上下院での法案の一本化が手間取れば、法案成立が2010年にずれこむ可能性も大いにある。(c)AFP