【10月29日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は米東部時間28日午前11時半(日本時間29日午前0時半)、フロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)のケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から、スペースシャトルの後継となる次世代ロケットの試験機「アレス1-X(Ares I-X)」を打ち上げた。

 切り離されたブースター部分は2分半後に大西洋に着水、打ち上げは成功した。2020年までに再び月への有人飛行を目指す「コンステレーション(Constellation)計画」が一歩前進した。

 アレスは全長100メートルの過去最大のロケットで、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)や月でのミッションを遂行するため、カプセル型の新型有人宇宙船「オリオン(Orion)」を地球低軌道に乗せるよう設計されている。

 アレスとオリオンは、コンステレーション計画の一環。月への有人飛行に再び成功した後は、火星その他太陽系惑星への飛行が目標とされる可能性もある。

 スペースシャトルは2010年に引退するが、アレスの使用開始は早くても2015年。その間、NASAは米国人宇宙飛行士を宇宙に送るために、ロシアに依存せざるを得ない。費用も高額だ。

 オリオンは当初、ISSへは最大6人、月へは4人が最長210日間飛行ができるよう設計されている。

 スペースシャトルが航空機のように着陸していたのに対し、オリオンは40年以上も前にニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長やマイケル・コリンズ(Michael Collins)飛行士、バズ・オルドリン(Buzz Aldrin)飛行士などを乗せたアポロ(Apollo)がしていたように、パラシュートで地球に帰還する。(c)AFP