【10月27日 AFP】ラトビア北部で25日、いん石が落下して直径10メートルのクレーターができたと報じられていたが、同国の電話会社が26日、宣伝のために「でっち上げ」ていたことを認めた。

 同国LETA通信によると、この会社の広報担当者は、「ラトビアを元気づけるとともに、ラトビアの経済危機を連日報じている世界の報道機関に『ひと休み』してもらおうと」ニュースをでっち上げたと語った。

 消防・救急当局によると、25日夕にマズサラツ(Mazsalaca)市の住民から「何かが空から落下し、地面が燃えている」との通報があり、消防車が現場に急行した。この時点では「いん石の落下によるもの」と結論づけられたが、その後に調査した専門家らが、くわで掘ったような跡があることからこの説に疑問を呈し、炎は「クレータに注がれた溶融金属によるもの」との見解を示した。

 これを受けて警察は、いん石事件がねつ造である場合には刑事事件として捜査を始めると発表していた。

 当局によると、この騒動による消防、警察、軍、科学者の派遣費用は少なくとも2000ラト(約38万円)にのぼっており、くだんの電話会社はこれを全額返還する意思を示している。

 Linda Murniece内相は、でっち上げについて、「ばかげた努力」とあきれている。

 ただでさえ予算が逼迫(ひっぱく)している救急サービスの時間と費用を浪費した件で、この会社が訴追されるかは、現在のところ明らかになっていない。(c)AFP