【10月22日 senken h】豊かな自然環境や、高品質な生地や伝統のタータンなどで知られるスコットランド。一方で、そんな伝統をベースにした新しいクリエーションも広がっている。国内外で活躍する才能あふれるデザイナーと、名物の菓子を紹介。(c)senken h / text:加藤陽美(Office Hash)

■エコにも力を注ぐ優しいニット――「エリベ」  

 86年スタートの手編みニットブランド「エリベ(ERIBÉ)」は、日本の多くの大手セレクトショップでも扱いがあり、日本の要望に応えて、モヘアのワンピースの丈を長めにするなど別注にも応じている。地元の素材であるシェットランド島のウールを使い、地元で作ることでCO2を削減するなどエコにも取り組む。シェットランドウールは肌に直接当たるとチクチクして痛いので、ニットジャケットにコットンの裏地を付けたりと、着心地の良さにもこだわっている。同時に染めていないシェットランドミニチュアシープを使った「ドライステイン」というエココレクションも立ち上げた。
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■間違いのない服――「グレエム・ブラック」

 公式の場で間違いのない服、それが「グレエム・ブラック(GRAEME BLACK)」の真骨頂だ。素材も仕立ても最高品質で、好印象を与える抑制感と適度なラグジュアリー感、奇をてらわないデザインとフォルムに品の良さが醸し出される。ジャージーのスーツやドレスは、きちんとした服を着なければならないオケージョンにぴったり。また毎シーズン取り組んでいるレザーは、クロコジャケットやコート、柔らかなポニースキンを、レーザーカットで花模様にくり抜いたスカートなどが人気だ。
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■日本人墨絵画家とコラボも――「アイオナ・クロフォード」

 「アイオナ・クロフォード(iona crawford)」は、07年にエジンバラ・カレッジ・オブ・アートを卒業。同時に若手育成のための財政的援助を行なうイノベーティブ・アンド・アウトスタンディング・ユース・オブ・スコティッシュのファブリック部門に選ばれ、08~09年秋冬から自身のブランドをスタートさせた。4シーズン目となる10年春夏物では、グラスゴーでも活躍してきた日本人画家の坂倉由佳子さんとコラボ。大胆な筆捌きの先に小さな女の子が描かれた、迫力もあるがどこか可愛らしげな墨絵をカシミヤにプリントしたコレクションを揃える。
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■足元を飾る注目の若手ユニット――「ビバロック」

 タトゥーを思わせる鮮烈なグラフィックで足元に目を釘付けにする、タイツ、ストッキング、ボディスーツの「ビバロック(bebaroque)」。08年から科学技術芸術国家基金の支援を受けてスタートした若手女性ユニットだ。同年のスコティッシュ・ファッション・アワードでは、アクセサリー・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、一躍有名に。刺繍やスワロフスキーでデコレーションされたアートのようなストッキングが売れ筋だ。プリントで25ポンド、ハンドエンブロイダリーで85ポンド。
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■どこかメルヘンなハンドニット――「ヒラリーロード・カシミヤ」

 「ヒラリーロード・カシミヤ(HILLARY ROHDE CASHIMERE)」は、グラフィック出身のヒラリーさんが立ち上げた後、弟子として働いていたステファニー・レアードさんが、7年前のヒラリーさんの引退と同時に引き継いだ手編みカシミヤニットのアトリエだ。ステファニーさんが舞台衣装出身ということもあり、ベルスリーブやペプラムシルエットなど、どこかシアターっぽさが漂うコレクション。ブロックごとに手編みし、リンキングで成型したトップスは約800ポンドと高価だが、ニットのトップスで300~700ポンドが中心小売価格になる。
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■ 国宝級のベテランデザイナー――「サンドラ・マーレイ」
 「サンドラ・マーレイ(Sandra Murray)」は、スコットランドのファッション業界では知らない人がいないベテランデザイナーだ。美術の教師からの転身という経歴とともに、伝統的なツイードやタータンにレース、シフォン、ベルベットの中でも最高級の素材をふんだんに使い、ミルフィーユのように重ねた大胆で迫力のある作品には、圧倒的な存在感がある。自身のブランドは77年スタートで78年からショーも行っている。99年のスコットランド議会の開会式典では、国花のあざみをあしらった紫のドレスをエリザベス女王が着用した。
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■数々の賞に輝くハンドメードのショートブレッド――「ショートブレッド・ハウス・オブ・エジンバラ」

 スコットランドの定番菓子と言えばショートブレッドだが、中でも「ショートブレッド・ハウス・オブ・エジンバラ」は特別だ。徹底しているのは量より質。首都エジンバラにある焼き菓子工房で、熟練した職人が最高級の原材料を使用して丁寧に手作りしている。
 味のみを厳しく審査する国際的な食品コンテスト「The Great Taste Awards」で、94年から毎回賞を受賞。オリジナルレシピショートブレッドは、スコットランド最高商品の栄誉にも輝いている。待ち焦がれたファンも多いこの名品、9月から日本でも購入することができるように。ハンドメードならではのさっくりと軽い口当たりと、素朴ながら忘れられないおいしさをご賞味あれ。
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