【10月19日 AFP】ヨルダンで18日、婚外交渉で妊娠した22歳の娘を刺殺したとして、父親が計画殺人容疑で逮捕された。

 地元警察発表によると、被害女性は17日に腹痛を訴え、父親とおじが病院に連れて行った。そこで、女性が妊娠6か月であることが発覚。病院から帰宅途中、ヨルダン渓谷(Jordan Valley)で父親が刃物で娘の腹を25回にわたってメッタ刺しにし、娘とお腹の赤ちゃんを殺害した。消息筋によると、この父親は犯行後に自首したという。

 被害女性のおじも、計画殺人容疑で逮捕された。また、被害女性のボーイフレンドは、身の危険があるため警察が保護したという。

 ヨルダンでは殺人罪は死刑に相当するが、今回のようないわゆる「名誉殺人」と呼ばれるケースでは、特に被害者の家族が寛大な処置を求めた場合、裁判所は通常、減刑の判断を下す。ヨルダン議会は以前、名誉殺人について厳しい罪を制定する法案を否決している。

 ヨルダンでは、毎年約15~20人の女性が「名誉殺人」の被害者となっている。ヨルダン政府はこうした慣行を止めさせる努力をしているものの、今年に入ってすでに17件が報告されている。(c)AFP