【10月15日 AFP】(一部更新、写真追加)15日、パキスタン東部パンジャブ(Punjab)州のラホール(Lahore)などで、武装グループが警察施設4か所を同時攻撃し、計40人が死亡した。武装勢力による自爆攻撃がこの11日間で明らかに激しさを増してきている。

 警察によると、ラホール市内で襲撃されたのは3か所で、連邦捜査局(Federal Investigation AgencyFIA)支部、同市郊外ベディアン(Bedian)の特殊部隊訓練校、同マナワン(Manawan)にある警察学校の3施設。グループはあわせて20人以上で、女性が含まれていたという情報もある。うち10人はすでに当局に射殺されたか、自爆して死亡した。

 ラホール市警署長によると、FIA支部では襲撃グループの1人と警備要員6人が、マナワンでは襲撃グループの4人と警官9人、身元不明の1人の計14人が死亡。べディアンのグループ5人には、10代が少なくとも1人含まれており、軍が制圧するまで4時間立てこもり、最後は射殺されるか自爆した。

 パンジャブ州政府の法相によると、ラホールで警官14人、民間人5人、武装グループ9人の計28人が死亡したという。

 ラホールのFIA支部は2008年8月にも攻撃され、その際には16人が死亡した。マナワンの施設も3月30日にも襲撃され、8人が死亡した。

 さらに北西部コハート(Kohat)では、警察署が自動車による自爆攻撃を受け、警官3人を含む11人が死亡した。その後コハートに近いペシャワル(Peshawar)で、政府職員の住宅の建物で爆発物を積んだ自動車が爆発し、子ども1人が死亡した。

 ペシャワルでは9日、混雑した市場で自爆攻撃が発生し、少なくとも民間人52人が死亡したばかり。翌10日には首都イスラマバード(Islamabad)近郊にあるパキスタン軍司令部を武装集団が襲撃して1日中立てこもり、最終的には特殊部隊が人質を39人解放したが、23人が死亡した。

 アフガニスタンと国境を接し、米国の「テロとの戦い」の同盟国でもあるパキスタンでは10月5日以降、アフガニスタン旧勢力のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)に関連する勢力によるものとみられる攻撃で、160人以上が死亡している。

 北西辺境州(North West Frontier Province)ではなく、パキスタンの政治的中心地であるパンジャブ州で武装グループによる攻撃が相次いでいることから、治安部隊のぜい弱性が浮き彫りになっている。レーマン・マリク(Rehman Malik)内相は「彼らはゲリラ戦を仕掛けてきている。最初に彼らが活発だったのは北西辺境州だったが、パンジャブに標的を移している。(攻撃しているのは)パキスタンの安定を乱すために雇われたテロリストたちだ」と語った。(c)AFP/Arif Ali