【10月12日 AFP】いまだ内戦の痛手からの回復途上にあるスーダン南部の農村地域では現在、初夏の深刻な干ばつが原因で作物が育たず、百万人以上が草を食べて飢えをしのぐ状況に陥っている。

 東赤道(East Equatoria)州のLobira Boma村で、Latuka族の女性が食べ方を見せてくれた。すり鉢代わりの石のくぼみで草をすりつぶし、細かい粉にする。「これをこうやって水に浸して、それから食べるんだ。毎日これを食べているよ」

 この地方では、農民はソルガム(モロコシ)や雑穀、ピーナツなどを育てているが、これらの作物の栽培はなによりも雨が頼りだ。今年は5~6月の大干ばつで作物がほぼ全滅してしまった。「収穫がなく、食べるものがない。市場で穀物を買わなくてはならないが、そんな金はわれわれにはない」と副村長。

 しかし、地元の市場にも、果物や野菜は並んでいない。ケニアやウガンダから遠路はるばる運ばれてきたペットボトルに入った水や炭酸ドリンク、ビスケットがあるだけで、どれもとても高値だ。

 現地のカトリック教会で食糧確保と栄養指導を行っているデニス・オクム(Dennis Okumu)氏によると、東赤道州は肥沃な土地と豊富な資源に恵まれ、昔からスーダン南部全域の食料庫の役割を果たしてきたが、今年はまったく様相が違うという。「主食はソルガム。ソルガムができなければなにもない」

 世界食糧計画(WFP)によると、干ばつに加えて物価上昇や部族間抗争の増加で、南部スーダンに暮らす150万人の食糧事情が脅かされている。(c)AFP/Guillaume Lavallee