【10月10日 AFP】ブドウの収穫が終わりを迎えつつあるフランス南部のボルドー(Bordeaux)地方。ワインができあがるまでにはまだ数か月がかかるが、2009年のワインは今世紀最高レベルの品質になりそうだ。

 Bordeaux Institute of Vine and Wine Sciences(ボルドー・ブドウ樹・ワイン科学研究所、ISVV)のディレクターで著名なワイン生産者のDenis Dubourdieu氏は「自然はとても寛大だった。これに匹敵する良好な気象条件はおそらく1940年代までさかのぼらなければ見当たらないだろう」と述べた。

 また、ボルドー・グラン・ヴァン連盟(Federation of Grands Vins of Bordeaux)のLaurent Gapenne代表によると、今年のブドウは品質が高いだけでなく、量も豊富だという。

 ボルドーワインのバイヤーでプロのワインテイスターでもあるJean-Christophe Esteve氏は「このような年は1世紀に7~8回しかない」と語る。同氏によると、品質の高いブドウができたのは9月に非常に日が照り乾燥していたからで、このような気象条件は1949年以来初めてだという。

 実際、乾燥が激しく、干ばつでブドウの収穫が脅かされる懸念すらあった。しかし「その後、祈りに応えるかのように雨が降った。まさに正しいタイミングの雨だった」とボルドーの伝説的なワイン産地サン・テミリオン(Saint-Emilion)の名シャトー、シャトー・シュヴァル・ブラン(Chateau Cheval Blanc)のPierre Lurton総支配人は話す。

 上述のDubourdieu氏は「今年のような夏の後の今年のような秋が来るのは極めて珍しい。これ以上よい気候は想像できない」と語った。

 今年は糖度、色、フルーティーさなどの点で、過去の素晴らしいワインが出来た年と同水準のブドウができたという。(c)AFP/Suzanne Mustacich