【10月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がノーベル平和賞を受賞したことは、米国では喜びと驚き、そして冷ややかな声が混じったさまざまな受け止められ方をしている。

 オバマ大統領の支持者は同大統領がイスラム世界など米国への敵対的な姿勢を強める国々との関係改善を目指していることを指摘するが、大統領に就任してわずか9か月のオバマ大統領にネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)氏ら歴代の同賞受賞者と比肩しうる実績があるのかいぶかる人も多い。

 かつてオバマ大統領が暮らしていたシカゴ(Chicago)に住むある男性は「オバマはシカゴの男だ。とても誇りに思う」と語った。同じくシカゴに住むある女性は、以前はオバマ大統領の指導力に疑念を持っていた人もいたが、ノーベル賞を贈られたということは、オバマ大統領の問題解決能力と紛争解決能力が優れているに違いないということなのではないかと話した。

 ニューヨーク(New York)の証券取引所の近くで職場に急いでいた女性も喜びを語った。「大統領はベストを尽くしているし、受賞にふさわしいと思うわ。世界の平和を守ろうとよいことをしていると思うし」

 保険業界で働いていると言う男性は、「受賞はよかったと思う。オバマ大統領は米国に対する世界の見方を変えてくれた。核兵器削減や中東問題に力を入れ、イスラム世界と交流しようとしている」

 しかし、ウォールストリート(Wall Street)で話を聞いたある男性は、オバマ大統領は言葉だけで行動がないと批判的だ。「オバマ大統領はまだ何もしていないでしょう。実質がなくスタイルばかりだ。ノーベル賞は高度に政治的で、美人コンテストのようなものだ」

 やや意外なことに同様の意見は、オバマ氏の熱烈な支持者が多いニューヨークのハーレム(Harlem)地区でも聞かれた。あるアフリカ系の女性は「良いことを成し遂げた人はたくさんいるでしょう。今回の受賞はちょっと早すぎだと思います。オバマさんにノーベル賞に価するような実績が何かありますか?」と話した。「大統領としてオバマさんは好きだけど、まだ早すぎます」

(c)AFP