【10月7日 AFP】失われつつある文化的・歴史的遺産の保存運動を進めるワールド・モニュメント財団(World Monuments Fund、本部:ニューヨーク)は6日、都市開発や観光、管理不足などで危機にひんしている47か国93か所の遺産のリストを発表した。

 2年に1回発表されているリストには今回、京都の町家、ペルーのマチュピチュ(Machu Picchu)遺跡、スペインのサグラダ・ファミリア教会(Sagrada Familia)、米建築家フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)の手によるタリアセン(Taliesin)、タリアセン・ウエスト(Taliesin West)などが選ばれている。

 最大の要因は、高層ビルや現代的な建築物を含んだ集中的な都市開発で、例えば京都のような古い街の個性は失われつつあるという。

 スペイン南部のセビリア(Seville)は、ロマン溢れる旧市街は注意深く保護されているものの、そのすぐ外側に摩天楼の建設が計画されており、旧市街の風景が損なわれるおそれがあるという。
 
 リストに掲載された遺産には、失われる寸前のものもある。例えばパキスタンで発見されている5万にも及ぶ岩面彫刻は、ディアマ-バシャ・ダムの建設で水没しつつあるという。(c)AFP/Sebastian Smith