【9月29日 AFP】(一部更新)フィリピン政府当局は29日、同国を襲った台風16号「ケッツァーナ(Ketsana)」による洪水で、死者が240人に達したと発表した。また前日の28日には、この事態に自国だけで対処することは不可能だと認め、国際社会に緊急救援を呼びかけた。

 首都マニラ(Manila)やその周辺地域では、26日から台風の影響で豪雨となり、各地で洪水が発生していた。この洪水は、マニラ市で発生したものとしては40年以上ぶりの大規模なもので、市内の80%が冠水しているという。死者数はさらに増加すると見られている。

 グロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領は、今回の洪水を「一生に一度」の災害だと表現している。

 各学校や屋外競技場、仮設の避難キャンプなどには37万人以上が身を寄せているが、食料や水、衣服などが不足しており、劣悪な状態となっている。

 保健当局は伝染病の発生に注意を呼びかけているほか、国民に対し、医療品や清潔な水、食料などの無償提供、医療ボランティアへの参加を呼びかけている。当局者は、政府が最も懸念していることとして、新型インフルエンザA型(H1N1)や下痢、レプトスピラ症などの感染症を挙げた。(c)AFP/Mynardo Macaraig