【9月25日 AFP】ピュリツァー賞を受賞したジャーナリストがビル・クリントン(Bill Clinton)氏の米大統領時代について書いた新著の中に、ロシアのボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)大統領(当時)が泥酔して米ホワイトハウス(White House)付近でピザを探してうろついていたという記述があることについて、当時のエリツィン大統領の警備担当責任者が23日、「事実として起こり得ないこと」と否定するコメントを発表した。

 同書はテイラー・ブランチ(Taylor Branch)氏が著したもので、22日の米USAトゥデー(USA Today)紙にブランチ氏による同書の紹介記事が掲載された。これによると、ホワイトハウスに近い賓客用宿泊施設に滞在していたエリツィン氏は、深夜に施設付近で下着姿のままピザを探して歩き回っていたところをシークレット・サービスに発見された。タクシーを呼び止めようとしながら「ピザを探している」と叫んでいたという。

 この内容について、当時エリツィン大統領の警護責任者で現在は下院議員であるアレクサンドル・コルジャコフ(Alexandr Korjakov)氏はAFPに、「海外滞在中、エリツィン氏には厳重な警護がついていた。1人でタクシーを拾いに行くことはできないはずだ。全部でたらめだ」と述べた。

 コルジャコフ氏はさらに、ビル・クリントン氏の妻で現在は米国務長官を務めるヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏は「以前から一度としてエリツィン氏に共感を示したことはなかった」として、彼女が同書の内容に何らかの影響を与えた可能性を指摘した。(c)AFP

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