【9月16日 AFP】ドイツ・ポツダム(Potsdam)で開催中の欧州惑星科学会議(European Planetary Science Congress)で15日、今年1月に土星で発生した大嵐の継続期間は太陽系で観測されたものとしては最長だとする研究結果が発表された。

 この嵐は、南緯35度にある通称「嵐の通路(Storm Alley)」で発生し、現在も続いているもので、米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニ(Cassini)がとらえたもの。雷雲の長さは3000キロにも及んでいる。

 発表を行ったオーストリア科学アカデミー(Austrian Academy of Sciences)のゲオルグ・フィッシャー(Georg Fischer)氏は、「嵐の通路」が南の方に位置している理由について、「このあたりの緯度は、雷の発達に不可欠な『水雲の大規模な鉛直対流』を可能にする数少ない場所の1つだからではないか」と推測する。また、(南の方にあるのは)季節的なものかもしれないと話した。

 これまでに太陽系で観測された嵐の最長のものは、やはりカッシーニが土星で観測したもので、2007年11月から2008年7月まで7.5か月間続いた。(c)AFP