【9月15日 AFP】(一部更新、写真追加)民主党(Democratic Party of JapanDPJ)を中心とする新たな連立内閣が16日発足する。各報道から、内定している主要閣僚候補の顔ぶれが明らかになった。

 16日に召集される特別国会での首相指名選挙でまず、民主党の鳩山由紀夫(Yukio Hatoyama)代表が首相に選出された後、鳩山氏が正式に内閣人事を発表する予定だ。

■財務相 藤井裕久(Hirohisa Fujii)民主党最高顧問(77)

 藤井氏は東京大学法学部卒業後、旧大蔵省に入省。参議院初当選は1977年。93年に自民党(Liberal Democratic PartyLDP)を離党した後、短命に終わった非自民連立内閣で約10か月間、大蔵大臣を務めた。自由党から民主党に合流後は同党の要職を歴任し、現在は最高顧問。20年以上にわたる大蔵官僚経験を生かして、社会福祉への支出拡大の一方で増税はしないとしている民主党の財政政策に対する市場の不安を緩和することが期待される。

■外相 岡田克也(Katsuya Okada)民主党幹事長(56)

 東京大学法学部卒業後、1976年に旧通産省に入省。90年に自民党から衆院選に出馬し初当選。93年に自民党を離党し、後に民主党合流のプロセスへとつながる新政党結成に参加する。04年に民主党党首を務めるが、05年の総選挙敗北を受けて引責辞任。政策通であると同時に、「ミスター・クリーン」とあだ名されるほどまじめなイメージで知られる。

■国家戦略局担当相(副総理、党政調会長兼務)
菅直人(Naoto Kan)民主党代表代行(62)

 市民運動家として活動し、80年に当時の社会民主連合から衆院初当選。新党さきがけを経て、96年旧民主党結党に参加。この時から現在まで鳩山氏とともに、民主党のかじ取りを担ってきた。政策討論力の高さに定評がある。

 96年、同党が加わった自社さ連立政権の橋本政権で厚生大臣を務め、薬害エイズ問題を徹底究明したことがよく知られる。

■経済産業相 直嶋正行(Masayuki Naoshim)民主党政調会長(63)

 15日の読売新聞(Yomiuri)およびテレビ朝日(TV Asahi)の報道によると、経済産業相の最有力候補としては、全トヨタ労連(All Toyota Workers' Unions)、自動車総連(Confederation of Japan Automobile Workers' UnionsJAW)の幹部を経て92年に政界入りした直嶋氏の名前が挙がっている。

■消費者行政、少子化、食品安全、男女共同参画各担当相
福島瑞穂(Mizuho Fukushima)社民党(Social Democratic Party)党首(53)

 社民党の福島党首は同相就任への打診を受け入れた。現在まで女性としては唯一、入閣候補者として名前が挙がっている。

■郵政問題・金融担当相 亀井静香(Shizuka Kamei)国民新党(People's New Party)代表(72)

 国民新党の亀井代表には郵政問題・金融担当相への就任が打診されていると報じられている。自民党政権の郵政民営化に対抗した亀井氏の同ポストへの就任は、民営化の揺り戻しにつながるとの見方も出ている。

■官房長官 平野博文(Hirofumi Hirano)民主党役員室長(60)

 鳩山氏の側近の1人として同氏を補佐し、記者会見中に鳩山氏の後ろに寄り添う姿がよく見かけられる。旧松下電器産業(現パナソニック<Panasonic>)在社時には労組幹部を務めた。(c)AFP