【9月11日 AFP】陸上女子棒高跳びの女王エレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva、ロシア)が、2009シーズンに残された大会で成功を収めることで、第12回世界陸上ベルリン大会(12th IAAF World Championships in Athletics Berlin)の苦い記憶を払拭(ふっしょく)したいと語った。

 イシンバエワは10日、報道陣に対して「世界陸上での失敗には不満がある。その失敗がわたしを新たな高みに導いている。失望の記憶を完全に消し去りたい。IAAFワールド・アスレチック・ファイナル(IAAF World Athletics Final)を含め、今シーズンは3つの大きなイベントが残っている。1年を素晴らしい記憶と共に締めくくるため、そこで最高のパフォーマンスをしたい」と語っている。

 また、五輪で2度金メダルを獲得しているイシンバエワは、棒高跳びへの関心を高めるために、ライバルにより手強い対戦相手になって欲しいという思いを繰り返している。

 イシンバエワは「ライバルの誰かにわたしのレベルかそれ以上のパフォーマンスをして欲しい。そうすれば間違いなく棒高跳びに対する世間の注目は高まるし、そうなることで棒高跳びの結果が新たなレベルになると信じている」と語っている。

 27歳のイシンバエワは、8月28日に行われたゴールデン・リーグ2009(AF Golden League 2009)第5戦チューリヒ大会(Weltklasse Zurich)で記録した5メートル06を含め、これまでに世界記録を27度更新しており、セルゲイ・ブブカ(Sergei Bubka)氏の世界記録更新回数が目標の一つであることを明らかにしている。

 イシンバエワは「女子が男子と直接競い合うことはできないが、引退する前にブブカの伝説の記録更新回数35を破ることは可能だと信じている」と語っている。

 また、2010年2月にモスクワ(Moscow)で行われる「Russian Winter」に出場し、母国での世界記録更新を目指しているイシンバエワは、2013年にモスクワで開催される世界選手権で引退する意向を示している。(c)AFP