【9月9日 AFP】イタリア・ベネチア(Venice)でベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)のレッドカーペットに姿を現し観衆を驚かせたウゴ・チャベス(Hugo Chavez)ベネズエラ大統領は9日、ベラルーシを訪問した。米国から「欧州最後の独裁者」と非難された同国のアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領との会談で、チャベス大統領は恒例のユーモアを交えた米国批判を繰り出した。

 ベラルーシ国営メディアによると、チャベス大統領は、8日夜にルカシェンコ氏と会談し、「キューバ、アルジェリア、リビア、トルクメニスタンら『悪の枢軸』からのあいさつ状を持ってきたぞ!」と語ったという。

「悪の枢軸」は、もともと2002年にジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米前大統領が、イラン、イラク、北朝鮮を形容するために用いたもので、チャベス大統領が挙げた4か国はいずれも含まれていない。

 さらにチャベス氏は、7日にベネチア国際映画祭を訪問したことに触れ、「(イタリアのシルビオ・)ベルルスコーニ首相からのあいさつも持ってきた」と付け加えた。

 これに対しルカシェンコ大統領は、「しかし、ベルルスコーニ氏は悪の枢軸の一味ではないでしょう。今のところは」と応じた。

 チャベス大統領のベラルーシ訪問は2006年以来4度目となる。今回の外遊では、チャベス氏はアルジェリアやシリアも訪れ、親密な同盟国であるイランも訪問した。この後は、最後の訪問先であるロシアを訪れる。(c)AFP/Valery Kalinovsky