【9月5日 AFP】バグダッド南部のマハムディヤ(Mahmudiyah)で2006年3月に駐留米軍兵士がイラク人の少女を暴行し、少女を含む家族4人を殺害した事件で、米ケンタッキー(Kentucky)州の連邦裁判所の判事は4日、事件の首謀者である元米国陸軍兵卒スティーブン・グリーン(Steven Green)被告に対し、無期懲役の有罪判決を下した。

 事件は2006年3月、バグダッド(Baghdad)南部の町マハムディヤ(Mahmudiyah)で、14歳のイラク人少女Abeer al-Janabiさんが米兵5人から性的暴行を受け、Janabiさんを含む一家4人が殺害され、自宅が放火されたもの。兵士らはマハムディヤの検問所で酒を飲んでカード遊びをしていた際に、犯行を計画したとされる。

 グリーン被告は同事件の首謀者とみられている。事件の共犯者である他の米兵3人には、暴行などの罪で無期懲役の判決が下されているが、10年後には仮釈放を申請できる見通し。見張り役を務めたとされるもう1人の米兵は、禁固2年3月の有罪判決を受けた。

 グリーン被告は事件発覚前に「人格障害」を理由に除隊処分を受けていたため、軍法会議ではなくケンタッキー州の連邦裁判所で裁かれた。検察は死刑を求刑していたが、陪審員団は協議の結果、全員一致の死刑評決には至らなかった。

 グリーン被告は裁判で、「おれを狂ってるだの、性犯罪者だのと言いたければ好きにすればいい。でもイラクにさえ行かなければ、おれはこんなことに巻き込まれなかった」と述べ、自分たちを見て人々が軍への入隊を思いとどまればいいと語った。(c)AFP/Donna Groves