【8月28日 AFP】韓国・ソウル高等法院(Seoul High Court、高裁に相当)はこのほど、終業後に上司と飲んで帰宅途中に階段から転落死した会社員男性について、労災と認め、国に補償金の支払いを命じる決定を下した。英字紙「コリア・タイムズ(Korea Times)」など韓国各紙が28日報じた。

 報道によると、この会社員男性は2007年、上司に誘われ、就業後に立て続けに2つの飲み会に出席、帰宅途中に階段から転落して死亡した。飲み会では、「爆弾酒」と呼ばれるビールと韓国焼酎を混ぜたものを12杯以上、一気飲みさせられたという。

 男性の遺族は、男性の通常の飲酒量からすると度を超えており、男性は2回目の飲み会の前にはすでに足元がふらついていたと主張。労災を申請したが、認定されなかったことから、国の労災保険基金を相手取って訴訟を起こしていた。

 第一審は労災とは認めなかったが、高等法院は韓国の職場において、就業後に上司から飲み会に誘われた場合、断りにくいという風潮を重視。「会社主催の飲み会で過度のアルコールを摂取した結果、男性は正常な判断力を失い、事故が起きた。従って同件の死亡事故は、業務中に起きた死亡事故と同然だ」として、遺族に労災の死亡補償保険金を受け取る権利があると認めた。(c)AFP