【8月19日 AFP】米ニューヨーク(New York)でタクシーのトランクに60万ドル(約5600万円)相当のバイオリンをうっかり忘れた音楽家が、衛星技術を利用して楽器を見つけ出すことができたと米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)など各紙が18日、伝えた。

 韓国生まれのバイオリン奏者、ハンビン(Hahn-Bin)氏は17日、マンハッタン(Manhattan)でのコンサートを終えて帰宅する際に、イエローキャブのタクシーの中にジョバンニ・フランチェスコ・プレッセンダ(Giovanni Francesco Pressenda)作の18世紀のバイオリンを置き忘れてしまった。チャイナタウンにある自宅でシャワーを浴びるまで、ハンビン氏は、バイオリンを忘れてきたことに気づかなかったという。

 しかし、イエローキャブを管轄するニューヨーク市当局は、ハンビン氏の乗ったタクシーを見つけ出すのに何の苦労もしなかった。というのも、すべてのイエローキャブには衛星利用測位システム(GPS)の追跡装置が設置されていたからだ。ハンビン氏の乗ったタクシーが、ニュージャージー(New Jersey)州にある運転手の自宅に停車していることがすぐに分かった。

 ハンビン氏は「楽器を失うことは最も恐ろしいこと。ステージ上でミスするよりも怖い」と語ったという。(c)AFP