【8月17日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が医療保険制度改革の目玉と位置づける「パブリック・オプション(公的医療保険制度)」の導入をめぐり、米政府は16日までに、柔軟に対応する可能性を示した。

 医療保険制度改革をめぐっては、対話集会で住民が激しく反発する様子がくり返しテレビで放送されているほか、上院からも反対する声が出ている。こうした中、オバマ大統領は15日コロラド(Colorado)州で行った演説で、政府運営の医療保険制度が民間保険会社と競合する割合は、医療保険制度改革のごく一部でしかないと強調した。

 保険制度改革の反対勢力は、政府が医療保険制度を乗っ取ってしまうのではないかと警戒しており、オバマ大統領は反発を鎮めるため、全米各地をめぐり改革の重要性を訴えている。政権高官らも16日、大挙してテレビのトークショーに出演し、オバマ大統領の改革案を擁護する姿勢を示した。

 キャスリーン・セベリウス(Kathleen Sebelius)厚生長官は米CNNのインタビューで、オバマ大統領があくまでもパブリックオプションを推進するのか、それとも代案を検討する余地があるのかと問われ、大統領は「消費者のためのいくつかのオプションを支持し続ける」と語った。

 一方で、上院が代替案として、非営利の協同組合が運営する保険制度を提案していることを明らかにし、オバマ政権がこの案を受け入れる可能性を示唆。その上で、「重要なのは選択と競争だ。最終的には、この2つの要素が含まれる案が出されると確信している。ただ、それは(医療保険制度改革において)不可欠な要素ではない」と述べた。(c)AFP/Jim Mannion