【8月17日 AFP】米国は16日、台風8号(モーラコット、Morakot)の被害が拡大する台湾へ、人道支援物資を搭載した軍用機を派遣した。1979年の米中国交正常化に伴う米台断交後、米軍機が台湾に上陸したのは初めて。一方、中国も、被災地に取り残された1600人救出のため、ヘリコプターを派遣すると表明した。

 沖縄の米軍基地を飛び立ったC130輸送機は16日午後、台湾南部・台南(Tainan)の空軍基地に到着。毛治国(Mao Chih-kuo)交通相によると、ほかにも米軍からは、救助活動支援の重量物運搬用ヘリコプター2機が派遣される予定だという。

 また最近の良好な中台関係を示すように、台湾の地元紙、聯合報(United Daily News)は、中国の国務院台湾事務弁公室報道官の話として、中国政府が台湾に救援用ヘリコプターを派遣すると報じた。このなかには、前年の四川大地震での救助活動に使われた世界最大級のロシア製ヘリが含まれるという。

 台湾外交部によると、これまでに、約60か国に加え、欧州連合(EU)や国際NGO、19団体から義援金が寄せられているという。

 一方、馬英九(Ma Ying-jeou)総統は16日、台風被害への政府の対応の遅れを謝罪した。台風被害が明らかになってからの馬総統の謝罪は2回目。

 台風によるこれまでの死者数の公式統計は124人だが、高雄(Kaohsiung)県小林(Hsiaolin)村だけでも数百人が生き埋めになっていることから、馬総統は、最終的な死者数が500人を上回る可能性もあるとの見通しを示した。(c)AFP/Polly Hui