【7月30日 AFP】英ロンドンの首相官邸があるダウニング街に住む白黒の名物ネコ「シビル(Sybil)」が今週初め、死亡した。政府報道官によると、シビルは少し前から病気だったという。

 シビルはアリステア・ダーリング(Alistair Darling)財務相の飼うメスネコで、2007年6月にゴードン・ブラウン(Gordon Brown)政権樹立した後、財務相に着任した主人と一緒にダウニング街に引っ越してきた。名前の由来は、1970年代の英人気コメディー『フォルティ・タワーズ(Fawlty Towers)』の登場人物。財務相官邸である11番地と、首相官邸の10番地とを行き来しながら暮らしていたという。

 英紙インディペンデント(Independent)は、労働党改革を目指したトニー・ブレア(Tony Blair)前英首相が提唱した「ニュー・レーバー(新労働党)」とネコの鳴き声(mew)をかけて、「ミュー・レーバー(Mew Labour)が死んだ」と報じた。シビルは1997年のブレア前首相就任以来、ダウニング街に住んだ初めてのネコだった。

 ちなみに同紙によると、シビルの到来は「不吉」だった。なぜなら、ダウニング街に入居後数週間でダーリング財務相は英中堅銀ノーザン・ロック(Northern Rock)の取り付け騒ぎに追われる羽目になり、やがて世界金融危機が起きたからだという。(c)AFP