【7月26日 AFP】6月のクーデターでホセ・マヌエル・セラヤ(Jose Manuel Zelaya)大統領が国外追放されたホンジュラスで25日、男性1人の遺体が発見された。男性は友人らによって首都テグシガルパ(Tegucigalpa)に暮らす23歳の男性だと確認された。

 遺体はニカラグアとの国境に近いコーヒー園に隣接した道路で見つかり、ナイフによる深い切り傷と殴られたような跡があった。付近には前日の24日に帰国を試みたセラヤ氏を歓迎しようと、暫定政権が出した日中の外出禁止令を無視して、この3日ほどの間に約100人の支持者が集まっていた。地元メディアによれば軍と警察はこの地域に約3000人を動員して警戒している。 

 暫定政権に批判的な数少ないメディアであるラジオ・グロボ(Radio Globo)は目撃者の証言として、警察は24日、セラヤ氏支持者の集会に参加したこの男性を逮捕したと報じた。しかし警察は、この男性がマリフアナを吸っていたため逮捕したのであり、政治とは無関係だとしている。

 セラヤ氏は25日、国境からニカラグア側に100メートルほど入ったところにキャンプを設置したことを明らかにし、「われわれは抵抗運動を組織している」と述べた。同氏は少なくとも26日まではニカラグア領内にとどまる意向を示しているが、ホンジュラス側が警戒を強化しているため、セラヤ氏の側近は再度帰国を試みるか明らかにしていない。

 ロベルト・ミチェレッティ(Roberto Micheletti)暫定大統領は24日夜、テレビで、セラヤ氏が帰国すれば警察が逮捕すると警告するとともに、コスタリカのオスカル・アリアス・サンチェス(Oscar Arias Sanchez)大統領が仲介した和解協議にオブザーバーを派遣するようドイツ、ベルギー、カナダ、コロンビア、パナマ、日本に求めたことを明らかにした。(c)AFP/Francisco Jara and Julia Rios