【7月20日 AFP】ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)とバージン・アトランティック航空(Virgin Atlantic)の英航空大手2社は19日、新型インフルエンザA型(H1N1)対策を強化すると発表した。英国では前週だけで5万5000人の感染が新たに確認されており、感染者数は欧州で最悪となっている。

 ブリティッシュ・エアウェイズの広報は、「われわれがお客様に(感染の)懸念をもった場合、またはお客様からの懸念が伝えられた場合、社員へアドバイスを行うため24時間の医療サービスを受けている」「診断結果や症状から、お客様に搭乗しないように求めたケースがこれまでに多数ある」と語った。

 英航空当局は、気分がすぐれないなどの新型インフルをうかがわせる症状がある場合は、旅行を延期するよう呼びかけている。

■北京では英国人生徒・教師52人が隔離

 英国の国際文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル(British Council)」によると、研修旅行のため中国・北京(Beijing)を訪れた英国の生徒4人が新型インフルの陽性反応を示し、同じグループの生徒・教師52人が隔離措置を受けているという。

 また、英国放送協会(BBC)は19日、同じグループの別の4人が検査の結果新型インフルに感染していたことが分かったと報じている。

 このグループの教師の1人、イアン・ティレル(Ian Tyrrell)氏は隔離されているホテルでAFPの電話取材に対し、「空港で足止めされて驚いた。ショックを受けている」と語った。ティレル氏によると、このホテルには米国など複数の国籍の人びとが隔離されているという。学生も含まれているが、正確な人数は分からないという。

 ティレル氏は、新型インフルに陽性反応を示した生徒のうち2人はホテルに戻りグループと再び合流しているが、残る2人は北京市内の病院で「元気にしている」という。

 中国では約1500人の感染が確認されている。中国当局は同国に入国する人びとに対し、発熱検査などの厳しい検査態勢を敷いている。(c)AFP