【7月16日 AFP】教育レベルと認知症の関係を調査したドイツの科学者らは、「修道女」が研究サンプルとして最適だということを改めて実感した。

 15日のカトリック系通信社KNAによると、心理学者・疫学者のホルスト・ビッケル(Horst Bickel)教授らの研究チームは、調査対象に、ドイツ南部バイエルン州(Bavaria)の修道女442人を選んだ。その理由は、修道女は何十年にもわたり同じ修道院に暮らしてほぼ同じような毎日を過ごしているという同質なグループであり、結果を歪曲する可能性のある外部の影響を排除できるからだという。

 調査結果も、それを物語っている。

 442人のうち、認知症の兆候があらわれていたのは104人で、うち92人は学歴が低かった。若いころの教育レベルとその後の認知症との明らかな相関性を示している。

 また、責任ある地位についている修道女では、そうでない人よりも認知症リスクが低いこともわかった。

 ビッケル教授は、調査に協力してくれた修道女たちに感謝の気持ちを述べている。なお、修道女の代表は、「シスターたちは科学、ひいては人の助けになりたかったのです」と話している。(c)AFP