【7月8日 AFP】(一部更新、写真追加)前月急死した米歌手マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの追悼式が7日、米ロサンゼルス(Los Angeles)のステープルズ・センター(Staples Center)で行われた。追悼式はテレビやインターネットで中継され、全世界で数億人が「キング・オブ・ポップ」に最後の別れを告げた。

 追悼式では、マイケルさんの長女パリス・キャサリン(Paris Katherine)ちゃん(11)が涙をこらえながら、「お父さんは、わたしが生まれてからずっと最高の父親でした。とても愛してるって言いたい」と語り、その後、泣き崩れた。

■追悼式

 親族だけが参加する葬儀は、同日午前8時15分(日本時間8日午前0時15分)にハリウッドヒルズ(Hollywood Hills)の葬儀場で執り行われ、その後赤い花で飾られた黄金のひつぎは黒塗りの車に載せられてステープルズ・センターに向かった。この様子は、上空を飛ぶ取材用ヘリコプター20機により、世界に生中継された。

 追悼式の冒頭、米歌手スモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson)が、出席できなかったスターや世界各国の政治指導者らから届いたお悔やみの手紙を朗読した。

 南アフリカのネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領からも手紙が届いた。「マイケルは音楽界の巨人であり、伝説だ。世界中の数百万人のファンとともに、マイケルの死を悼んでいる」 

 遺書で子ども3人の後見人に指名されたダイアナ・ロス(Diana Ross)は、次のようなメッセージを寄せた。「マイケルはわたしの大切な人であり、わたしの世界の貴重な一部であり、わたしを織りなしているものの一部だった」「マイケルは自分の子どもたちのために、わたしに居てほしいと望んだ。彼らがわたしを必要とするとき、わたしはいつでもそこに居る」

 続いて、マライア・キャリー(Mariah Carey)、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)、ジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)らのパフォーマンスが行われ、その合間に友人たちや音楽関係者からのメッセージが読み上げられた。

 ソウル音楽やブラックミュージックを中心としたレコードレーベルで、マイケルさんのキャリアの出発点ともなった「モータウン(Motown)」の創設者、ベリー・ゴーディ(Berry Gordy)氏が次のように語ると、観客席からは大きな喝采が起こった。

「わたしがマイケル・ジャクソンについて考え、語るほど、キング・オブ・ポップという称号では十分ではないという思いを新たにする。彼はただただ、これまでで最も偉大なエンターテイナーだった」

 会場となったステープルズ・センターの周りには1400人の警官が配備され、隣接したいくつかの街区が、追悼式の数時間前から封鎖された。主催者側は、チケットを持っていないファンに対し、式のもようをテレビで見るよう呼びかけていた。

■東京やオーストラリア、オバマ大統領は・・・

 東京・渋谷にあるタワーレコード(Tower Records)では8日、追悼イベントとしてDVD上映会が開催され、数百人のファンがつどった。

 オーストラリア・メルボルン(Melbourne)では、凍てつく深夜に大勢のファンがフェデレーション・スクエア(Federation Square)に集まり、巨大スクリーンに生中継で映し出される追悼式のもように見入っていた。

 ロシアを訪問中のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、米CNNテレビのインタビューに対し、マイケルは「わたしたちの世代における最も偉大なエンターテイナーの1人だ。エルビス、フランク・シナトラ、ビートルズ同様に、彼はわたしたちの文化の核のような存在になった」と話した。

 その一方で、児童性的虐待疑惑、派手な整形手術、数々の奇行といった「負」の側面を念頭に置き、「彼の人生には、たぐいまれなる才能に比例して、たくさんの悲劇や困難があった。この事実を無視することはできないが、わたしたちにとって、彼のいちばん良かった部分を認めることが重要だと思う」としめくくった。(c)AFP

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