【7月7日 AFP】ナイジェリア第2の都市である北部のカノ(Kano)では、体の一部を切り取ってお守りを作ろうと、子どもが誘拐・殺害される事件が増加傾向にあると、地元政府や人権団体が警鐘を鳴らしている。背景には、こうしたお守りを身につけると金持ちになれる、または出世できるという迷信と、人々の「欲」があるという。

 地元政府のある役人によると、カノでは、子どもが行方不明になったと親が警察に通報するケースが過去3か月で2倍以上増加した。誘拐される子どもの年齢は通常2歳から5歳だという。

 ラジオでも、子どもが行方不明になったというニュースが頻繁に流れている。フリーダム・ラジオ局によると、行方不明の子どもについての情報提供の呼びかけを流す親は過去3か月で、週に平均50人。それ以前は週に平均20人だったというから、大幅な増加だ。

 カノにある子どもの福祉に関する団体のアリユ・マシ(Aliyu Mashi)氏は、「人々は富や権力を手に入れようと必死になっており、目的を達成するには、黒魔術に使用するために子どもを殺すしかないと考えている」と説明する。

 アフリカのほかの社会では、アルビノ(先天性白皮症の人)が同様の理由でターゲットにされているが、カノでは子どもが狙われやすいという。地元の呪術師たちがお守りとして子どもの体の一部を好むのと同時に、貧困にあえぐ親たちがしばしば子どもに構わずほったらかしにするという事情もある。

 誘拐犯は、こうした子どもたちをキャンディーやビスケット、ときには手品を使って、おびき寄せているという。(c)AFP/Aminu Abubakar