【7月2日 AFP】インド洋のコモロ諸島沖で前月30日にイエメン航空(Yemenia Air)の旅客機が墜落した事故で、唯一救出された少女は、機体の残がいにつかまったまま10時間以上海に漂っていた――仏政府閣僚は1日、同諸島の病院に入院している少女を見舞い、少女の勇気をたたえた。

 少女はバヒア・バカリ(Bahia Bakari)ちゃんで、墜落現場からさほど遠くないコモロの首都モロニ(Moroni)の病院に入院。当初は14歳と報じられていたが、12歳であることが確認された。なお、他の乗員・乗客152人の生存は絶望的と見られている。

 少女を見舞った仏外務省のアラン・ジョワイヤンデ(Alain Joyandet)閣外大臣は、報道陣に対し「彼女の勇気は称賛に値する」と語った。バヒアちゃんによると、墜落の直前、シートベルトを締めるようにという機内アナウンスがあった。墜落の瞬間については「体に電流のようなものが走った」と表現したという。

 バヒアちゃんと電話で話したという父親のカシム・バカリ(Kassim Bakari)さんによると、バヒアちゃんは海に落ちた際に鎖骨が粉々になり、ひざにやけどを負った。「荒れた海のなか、しばらくは、まわりに何人かの生存者がいた。彼らが話しているのが聞こえた。でも夜になると何も見えなくなった。必死に残がいにつかまっていた」と話していたという。

 飛行機にはバヒアちゃんの母親も乗っていたが、バヒアちゃんには「母親は無事」と伝えられているという。

 なお、バヒアちゃんはジョワイヤンデ閣外大臣と面会後、大臣ともにパリ(Paris)に向けて飛びだった。(c)AFP/Ali Moindjie