【6月30日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)は28日、バチカンのサンピエトロ大聖堂(Saint Peter's Basilica)で行ったミサで、聖パウロ(Saint Paul)のものとされる墓から古代の人骨の破片が発見されたことを明らかにした。

 ベネディクト16世は、1年間に及ぶ聖パウロ祝賀行事の最終日にあたる同日、同聖堂の祭壇の下にある墓で行われている科学的調査について触れたもの。それによると、ひつぎにあけられた小さな穴から骨のかけらが採取され、放射性炭素年代測定の結果、1-2世紀に生きた人物であることが判明したという。

 このことから、ベネディクト16世は、「墓が聖パウロのものであるとする説が実証されたと言える」と話している。

 同聖堂の枢機卿によると、ベネディクト16世は「さらに詳しい調査」には反対しない意向だが、墓が大きいこともあり、ひつぎを開けるには祭壇を壊す必要が生じるという。

 これまで一度も開かれたことがない墓の調査は2002年に許可された。法王庁は2005年2月、墓は聖パウロのものであるとの見解を示している。(c)AFP