【6月28日 AFP】インドの北部と東部が連日熱波に見舞われ、さらにモンスーンの到来も遅れている中、首都ニューデリー(New Delhi)では27日、過去数年間で最大規模の停電と水不足が発生した。

 停電前、ニューデリーの電力は電気系統が供給できる限界の状態で、停電の被害が最も大きかった地域ではここ数日間、最大で1日10時間の停電となっている。道路の信号や大学施設も停電している上、ニューデリーの国際空港でさえも非常用電源に頼っている状況だ。

 停電は水の供給にも被害を与えた。気温は最高で48度にも達し、多くの人がエアコンのついた車の中で眠ることを強いられている。

 こうした事態に対し地元住民らは怒りの声を上げ、26日に配電会社前の道路を封鎖して抗議行動を展開。政府に救済措置を要求した。苦情を受け付ける電話相談サービスも機能していないという。

 雨期の到来も遅れており、例年なら2週間ほど前に訪れるモンスーンがまだ来ていないため、長い猛暑の夏が終わる頃には湖が干上がることが予想される。このため水不足と農産物被害への懸念が強まっている。

 インドでは、北部と東部を中心に熱波による死亡者が続出しており、4月以降の死者は100人を超えている。(c)AFP