【6月23日 AFP】イラク各地では22日、爆弾攻撃が相次ぎ、合計で31人が死亡、96人が負傷した。治安当局者が明らかにした。駐留米軍の都市部からの撤退を数日後に控えたイラクでは、攻撃による死者数がこの3日間で100人を超えている。

 治安当局者や医療関係者によると、死者の中にはイラク軍兵士5人、警察官2人、期末試験に向かう途中の大学生3人、4歳の子ども1人が含まれているという。

 首都バグダッド(Baghdad)西郊のアブグレイブ(Abu Ghraib)では、地元自治体の建物を狙った自動車爆弾が爆発し、7人が死亡、米軍兵士3人を含む16人が負傷した。

 イスラム教スンニ派(Sunni)アラブ人が住民の多数を占めるアブグレイブは、かつては国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の根拠地でもあったが、米軍やイラク軍と強力関係にあるスンニ派組織が勢力を強めている。

 バグダッド郊外のシーア派(Shiite)地区サドルシティ(Sadr City)では、朝のラッシュを狙い道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発。ミニバス1台が巻き込まれ、試験に向かっていた大学生3人が死亡したほか、運転手と学生12人が負傷した。

 軍当局者によると、ディヤラ(Diyala)州の州都バクバ(Baquba)でも、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、パトロール中のイラク軍兵士3人が死亡した。同州Khaleesでは、米軍の収容施設キャンプ・ブッカ(Camp Bucca)から釈放されたばかりのアルカイダの元メンバー1人が暗殺された。

 バグダッド北東部のシャアブ(Al-Shaab)では、パトロール中の警察官を狙った爆弾攻撃で、4歳の子どもと母親ら3人が死亡、約30人が負傷した。

 バグダッドでは、商業施設が集まるカラダ(Karrada)地区で自動車爆弾で5人が死亡、20人が負傷したほか、別の地区でも4人が死亡、20人が負傷する爆弾攻撃があった。

 北部の都市モスル(Mosul)では、パトロール中のイラク軍兵士2人が武装勢力によって射殺されたほか、市中心部の検問所でも警察官2人が射殺されている。また、市民1人が死亡する銃撃事件も起きている。(c)AFP/Salam Faraj