【6月22日 AFP】米議会が承認した中古車買い替え助成金の導入について、専門家や政府高官らは、低迷する自動車販売の火付け役になるだろうと期待している。

 前週可決された同助成金法案は、燃費の悪い車を低燃費車に買い換える消費者に、1台最高4500ドル(約43万円)までの現金を支給し、計10億ドル(約960億円)規模の支援を行って自動車市場を刺激するのが目的。同様の策が新車販売増につながったフランスやドイツなどをモデルにした。

■自動車業界からは大きな期待

 レイ・ラフード(Ray LaHood)運輸長官は、「消費者に新しい低燃費の乗用車やトラックを買う気にさせるし、自動車業界の支援、雇用維持にもなる」と自信をのぞかせる。

 米ビッグスリーを含む業界団体、自動車通商政策評議会(Automotive Trade Policy CouncilATPC)もバラク・オバマ大統領の法案への署名を心待ちにし、全米自動車ディーラー協会(National Automobile Dealers AssociationNADA)も「消費者マインドを回復し、経済の再活性化につながるとともに外国の石油に対する依存度も減らせる政策」と、手放しで歓迎している。

■実際の経済効果は期待薄?

 しかし、米自動車情報サイト、エドマンズ・ドット・コム(Edmunds.com)では、補助金制度が売り上げに与える影響は控えめで、制度利用は25万台を切る程度だろうと予測する。また、興味を示すのは、現在所有する車の中古車価格が支給限度額の4500ドル以下のマイカー所有者という少数に限られるのではないかと指摘する。

 同サイトは「中古車として売りに出そうとされる車の大半は、少なくとも10年落ち。こうした所有者は車関連の支払いを増やしたいとは思っていないし、平均3万ドル(約288万円)はする新車を買う経済的余裕もない」と政策の効果に否定的だ。

 助成金を利用して購入した車を最低1年間は保有しなければならないという制限条件も、政策の効果を鈍らせる要因だと同サイトは忠告する。支給条件をゆるくしたほうが、経済効果の引き金となるはずだという。

 同サイトのジェレミー・アンウィル(Jeremy Anwyl)社長は指摘する。「欧州で似た制度が成功したのは、欧州の消費者ほうがずっと長く1台の車を所有するから。けれど、どちらにしても、なにもしなかったのと変わらないだろう。業界が必要としているの新車売り上げは少なくとも500万台増で、25万台程度増えてもさしたる足しにはならない」(c)AFP/Rob Lever